群雄割拠の戦国乱世にあるの傭兵集団。紀州三大鉄砲衆のひとつ、薄荷衆である。 雑賀・根来に比べてまだ若い、この里にも、鉄砲集団として運命とも言える、最大の危機が迫っていた。 魔王・織田信長の侵攻である。 その戦にひとりの女が居た。彼女は若くして軍団長にまで上り詰めた強き武士である。名を、と言った。 そしてもうひとり、戦国の世に名を轟かす男が居た。天下御免の傾奇者、前田慶次である。 二人が相見えたその時、赤い悪魔が降臨した…… ひとつ、またひとつと大切なものが消えていくなか、 義とは何か 愛とは何か 理想と現実の違いに苦しみながら、それでも夢を忘れなかった、猛き武士達の志をとくと御覧ぜよ。 あらすじ(反転) 第一章 邂逅――薄荷攻め 魔王光臨。紀州の小さな鉄砲衆の里、「薄荷」に黒い陰が忍び寄る。第二章 紀州国友――本能寺の変 今の薄荷の姿に、心を揺るがされた男が二人。第三章 継承者――山崎合戦 目覚めた雑賀衆棟梁・孫市が引き金を引き、政局は一転、光秀と秀吉の戦いへともつれ込んだ。 |